雑記

幽霊だった僕が君に願う幸せ ヨルシカ「ただ君に晴れ」歌詞の意味【歌詞考察】

幽霊だった僕が君に願う幸せ ヨルシカ「ただ君に晴れ」歌詞の意味【歌詞考察】

こんちは、めもぱんだです。

ヨルシカの2ndミニアルバム「負け犬にアンコールはいらない」より「ただ君に晴れ」の歌詞考察をやったったよ。

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「ただ君に晴れ」の歌詞

作詞:n-buna

夜に浮かんでいた 海月のような月が爆ぜた
バス停の背を覗けば あの夏の君が頭にいる

だけ

鳥居 乾いた雲 夏の匂いが頬を撫でる
大人になるまでほら、背伸びしたままで
遊び疲れたらバス停裏で空でも見よう
じきに夏が暮れても きっときっと覚えてるから

追いつけないまま大人になって 君のポケットに夜が咲く
口に出せないなら僕は一人だ それでいいからもう諦めてる

だけ

夏日 乾いた雲 山桜桃梅 錆びた標識
記憶の中はいつも夏の匂いがする
写真なんて紙切れだ 思い出なんてただの塵だ
それがわからないから、口を噤んだまま

絶えず君のいこふ 記憶に夏野の石一つ

俯いたまま大人になって 追いつけない ただ君に晴れ
口に出せないまま坂を上った 僕らの影に夜が咲いていく

俯いたまま大人になった 君が思うまま手を叩け
陽の落ちる坂道を上って 僕らの影は

追いつけないまま大人になって 君のポケットに夜が咲く
口に出せなくても僕ら一つだ それでいいだろ、もう
君の想い出を噛み締めてる

だけ

聴き感。「だけ」って一緒に言いたくなる。パパンッて一緒に手を叩きたくなる。
優しさ、悲しみ、諦め、と少しの前向きさを感じる。そんな曲。
それでいいだろ、もう

めもぱんだは「きっときっと覚えてるから」が好き。

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歌詞考察の前に、ミニアルバム「負け犬にアンコールはいらない」の考察

ヨルシカの曲は、どれもアルバム全体でストーリーが繋がっているよ。
だから「ただ君に晴れ」の歌詞考察をするために、この曲を収録しているミニアルバム「負け犬にアンコールはいらない」の説明をしておくよ。

ミニアルバム「負け犬にアンコールはいらない」のテーマは生まれ変わり

ヨルシカの曲は、どれもアルバム全体でストーリーが繋がっているよ。
だから「ただ君に晴れ」の歌詞考察をするために、この曲を収録しているミニアルバム「負け犬にアンコールはいらない」の説明をしておくよ。

n-bunaによると、「負け犬にアンコールはいらない」のテーマは生まれ変わり。アンコール=生まれ変わり。
前アルバム「夏草が邪魔をする」は男女二人の登場人物が生まれ変わりを繰り返して「雲と幽霊」で再開を果たすというコンセプト。「負け犬にアンコールはいらない」は、簡単に言うと前アルバムの後編で、メインの登場人物も同じ二人。二人は何度も何度も生まれ変わっていく。

「ただ君に晴れ」の[僕]=「言って。」の[君]

これが最重要ポイントだね。
上記の通り、前アルバム「夏草が邪魔をする」と「負け犬にアンコールはいらない」の登場人物は同じ男女二人で、「言って。」の「君」が「ただ君に晴れ」の[僕]、「言って。」の[私]が「ただ君に晴れ」の[君]ということ。

ちょっとややこしいからまとめる。
「言って。」の[私♀]=「雲と幽霊」の[君♀]=「ただ君に晴れ」の[君♀]
「言って。」の[君♂]=「雲と幽霊」の[僕♂]=「ただ君に晴れ」の[僕♂]

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「ただ君に晴れ」MVの考察

MVはn-bunaが主導しているものではないから、歌詞考察では補助的なものにしかならないよ。

歌詞に沿うように思い出(海岸)と現実(東京)が切り替わっていくのがおもしろい!

重要!MVに映し出される長文

MVの2:54「口に出せなくても」の最後に出てくる長文。n-bunaが書いたと思われる歌詞を読み解く上でも重要な要素になるから見てってくださいな。
おそらくは、「ただ君に晴れ」の[僕]が書き綴ったとされるものだよ。
文章は「ただ君に晴れ」だけでなく前アルバムとリンクするような単語がたくさん並べられていて、「夏草が邪魔をする」と同一人物であることを匂わせている。

上空を漂う薄ら雲。
山桜桃梅。アスファルトの焼ける匂い。
プールサイド。蝉時雨。鳥居。夏陰。
青天井。
夏草を掻き分けて寝転がっていた。
東京の空には殆ど映らない青色も、
想い出の中なら指先に届く。
逃げ水。バス停裏。
木製の看板。百日紅。既視感。
風見鶏。
自分の物とすら思えないほどに朧げな記憶。
子供の頃見た幽霊の輪郭。
夜空。夏の果て。海月。
源氏蛍。影法師。
分かれ道。錆びた鉄棒。落陽。
頬を撫でる温い風。雲の高さ。双眸。
群青。
夜水。靴。花火。
木漏れ日みたいな誘蛾灯。
追想。晩夏。夜しか眠れない僕らが。
これから先の人生、躓くことなんて当たり前だ。
それでも、ただ君に、晴れぬ空などないことを。

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「ただ君に晴れ」の歌詞考察

青春の記憶を描いた歌。
キレイな情景描写が多い。

タイトル「ただ君に晴れ」の意味

さっき紹介したMVに登場する長文の最後を確認してみよう。
「これから先の人生、躓くことなんて当たり前だ。それでも、ただ君に、晴れぬ空などないことを。」と書かれているね。
これは、色々落ち込むことがあってもいつかは良いことがあって幸せがくる。みたいなこと。
つまり、「ただ君に晴れ」とは「君に良いことがあるように願っている」という意味。

歌詞全体の考察を通してもその意味で合致するよ。

[君]の記憶を思い出した[僕]

夜に浮かんでいた 海月のような月が爆ぜた
バス停の背を覗けば あの夏の君が頭にいる

だけ

ふと、おぼろげだった君の記憶がよみがえった。
バス停に君がいる夏の風景。
ただ1つ思い出した、記憶の中だけにいる君。

前世(同アルバム曲「爆弾魔」)で[君]との思い出を消し去ってしまった[僕]。
忘れてしまった記憶のカケラが思い出された感じだね。
爆ぜて失った記憶だから「爆ぜるように」と表現したのかもしれないね!

夜=忘却

この曲で解釈が難しい言葉の1つが、「夜」。
冒頭に1回、サビで計3回登場する重要なキーワードだね。
「夜」は記憶に関連する場面で登場することから、前後関係も含め「忘却」を意味していると考察するよ。
海月(クラゲ)がユラユラ揺れるように曖昧だった記憶がふとした瞬間に弾けて思い出した、そんな感じ。

「海月」は夏全体を示す季語

「海月」は夏全体(三夏)を示す季語だよ。
季語で言うところの夏は一応5・6・7月だけど、普通に自分がイメージする夏を想像して良いよ。
ちなみに、海月はお盆になると増えると言われるけども決してお盆を示す季語ではないからねっ。
俳句の世界ではお盆は初秋だからねっ。

「海月」が季語であるならば、この歌詞の季節は「夏」だね(*´▽`*)。
記憶の中の季節は夏だと分かるけれども、[僕]が過ごしている季節が推察できるのはこの「海月」というワード だけ。

「だけ」

ここの歌詞の「だけ」は2つの解釈ができるよ。

  1. 思い出した記憶は1つだけ の意味
  2. 君は頭の中にいるだけでここにはいない の意味

めもぱんだとしては、どちらかではなく同時に両方の意味があると解釈したよ。

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くっきりと思い出されてゆく記憶

鳥居 乾いた雲 夏の匂いが頬を撫でる
大人になるまでほら、背伸びしたままで
遊び疲れたらバス停裏で空でも見よう
じきに夏が暮れても きっときっと覚えてるから

鳥居や乾いた雲。夏の温かい風の匂いが頬を撫でるように感じるほどリアルな記憶。
背伸びして大人ぶっていた僕ら。
遊び疲れてバス停裏で見た空。
ずっとずっと覚えていると誓った思い出。

1つの思い出から次々と記憶が思い出されたリアリティのある記憶が描かれているね。
バス停に[君]がいるという記憶から呼び起こされたバス停裏で空を見た記憶。
心情までが思い出される。遠い前世でずっと覚えていると誓った記憶。

幽霊だった[僕]は忘れられていく

追いつけないまま大人になって 君のポケットに夜が咲く
口に出せないなら僕は一人だ それでいいからもう諦めてる

だけ

会えなくなってしまったまま君は大人になっていき、君の記憶から僕は消えていく。
君に何も言えなくなってしまった僕は孤独だった。でも、それで良かったと思うことにしている。

ここは色々凝縮されているから1つずつ考察していくよ。

「ポケットに夜が咲く」の意味

夜=忘却だから、記憶のポケットに忘却が広がっていくイメージ。
キレイな表現だよね(*´▽`*)

追いつけないのは[僕]、大人になったのは[君]、夜が咲くのは[君]

ここは一見すると[僕]が[君]に追い付けないまま[僕]が大人になって[僕]の中の記憶に夜が咲いたように見えるが、全体を通して解釈すると[僕]が[君]に追い付けないまま[君]が大人になって[君]の中の記憶に夜が咲いたと解釈できるよ。
[僕]は[君]に会えないから、[君]の記憶からは消えていくんだね。

追いつけない理由・口に出せない理由

ここで出る最大の疑問は、[僕]が[君]に「追いつけない」理由と「口に出せない」理由。
その答えは[僕]が幽霊だったから。
まず、この曲は記憶の中の[君]との思い出を描いた曲だから、ここの歌詞も過去の出来事である。
過去の出来事でここの歌詞と合致する曲が前アルバム収録の「雲と幽霊」。
「雲と幽霊」では、死んでしまった[僕]が幽霊となって[君]に何度も会いに行くけれども、幽霊だから[君]に[僕]は見えなくて話すこともできなくて、[僕]はただ見てることしかできない。
[僕]がいなくて悲しむ[君]に「もういいんだよ」と忘れられても良いと思っていた。
「ただ君に晴れ」では[僕]のことを[君]が忘れてしまっても良いと思いつつも、忘れられていくことの悲しみと[君]のことを忘れられない心情を描いている。

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かけがえのない二人で過ごした時間

夏日 乾いた雲 山桜桃梅 錆びた標識
記憶の中はいつも夏の匂いがする
写真なんて紙切れだ 思い出なんてただの塵だ
それがわからないから、口を噤んだまま

夏の日差しや乾いた雲、山桜桃梅、錆びた標識。
頭の中にはいつも君との夏の思い出が映し出される。
大切なのは思い出や写真ではなくて、君との時間だった。
それに気づかなかった僕は、大切な言葉を伝えることができなかった。

ここの記憶の[僕]は幽霊ではないよ。
[君]と過ごした時間の大切さと言えなかったことの後悔が見えるね。
言えなかったことは両想いのお二人ですから察してくださいな。

山桜桃梅とは

山桜桃梅は「ゆすらうめ」と読み、桜に似た植物だよ。
もちろん花が咲くのは春。山桜桃梅は初夏にサクランボみたいな実をつけるから、この歌詞の山桜桃梅は実がなっている状態をイメージしてみるべしだよ。
山桜桃梅は害虫に強くて庭に植える木として人気だったんだ。
山桜桃梅の花言葉は「郷愁」「ノスタルジー」「貴び」「輝き」。これ絶対花言葉意識して入れてるよねスゴイ。

錆びた標識

ここで「錆びた標識」をスルーしてはいけない!
標識をわざわざ錆びさせているのは、海辺を連想させるため。
海の近くにある標識は錆びやすい。
冒頭の「海月」も海を連想させる役割を担っているのかも。

「絶えず君のいこふ 記憶に夏野の石一つ」は正岡子規の俳句がモチーフ

絶えず君のいこふ 記憶に夏野の石一つ

僕の記憶の中には絶えず君がいて、同じ夏の風景を繰り返している。

このフレーズは、正岡子規が詠んだ俳句「絶えず人いこふ夏野の石一つ」を元にしたフレーズ。

俳句の意味は、夏の野原にポツンとある石を人々がいつも腰掛石として使っていて憩いの場となっているという感じ。ただの石が夏のあいだは特別な役割を持っている的なことだね。単なる情景描写ではなくて、夏という季節が「石」に存在意義をもたらすと感じるよ。

歌詞の「絶えず君のいこふ 記憶に夏野の石一つ」の意味は、[僕]の記憶の中には絶えず[君]がいて同じ夏の風景(石)を繰り返しているという感じ。
もしかしたら、「石」というのは[僕]の比喩で、[君]との記憶を想い続けることが[僕]の存在意義なのかもしれないね。

幸せを願い忘れられていく

俯いたまま大人になって 追いつけない ただ君に晴れ
口に出せないまま坂を上った 僕らの影に夜が咲いていく

悲しみを背負ったまま君は大人になった。何もできない僕はただ君が幸せになることを願っていた。
君に大切な言葉を伝えられずに二人で坂を上ったあの頃の記憶もやがて消えていく。

先述の通り、ここの1行目も「雲と幽霊」のときの記憶だよ。
死んでしまった[僕]を完全に忘れられない[君]に、自分のことは忘れて顔を上げて幸せに生きてほしいと願う場面。
2行目の「口に出せないまま坂を上った」は生きていた頃の記憶で、その思い出が[君]の記憶から消えていくということ。

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[君]が思うように生きてほしい

俯いたまま大人になった 君が思うまま手を叩け
陽の落ちる坂道を上って 僕らの影は

悲しみを背負ったまま君は大人になった。君は君の思うままに自由に生きてほしい。
ゆっくりと陽が落ちていくように、君から思い出も消えていく。

「手を叩け」は「君が思うまま」に続く言葉であり、直前のサビの「君に晴れ」と同じような意味だと考えられる。だから好きなことをすれば良いという意味。
それから曲中では「夜が咲く」と歌うところで手拍子を鳴らすことから、記憶が消える様子も表現しているのかもしれないね。
「陽の落ちる」は陽が落ちていって夜が近づく様子だから忘却を意味しているよ。
「坂道を上って」は大人になっていく比喩ととれる。

「大人になった」「大人になって」

サビの歌詞で「大人になった」「大人になって」の一文字違いが出てくるけれどもこの2つに意味の違いがあるわけではなくて、その次の2行目の歌詞の同じ部分が「て」で終わるなら「大人になった」、「た」や「だ」で終わるなら「大人になって」としているね。
つまりは語感に配慮した一文字の違い。こだわりの歌詞だね(*´▽`*)

[僕]は[君]を想い続ける

追いつけないまま大人になって 君のポケットに夜が咲く
口に出せなくても僕ら一つだ それでいいだろ、もう
君の想い出を噛み締めてる

だけ

会えなくなってしまったまま君は大人になっていき、君の記憶から僕は消えていく。
君に何も言えなくなってしまった僕は孤独だった。それでも僕らはずっと一緒にいたから、それで良かったと思える。
僕は、そんな君と過ごした記憶を想い続けることしかできない。

一番の歌詞での[僕]の想いをもっと詳しく書いているね。
[君]が忘れてしまっても良いと諦められることにしているのは、二人で過ごした時間があったから。
幽霊だった[僕]は君と話しができなかったけれども、僕らの想いは同じだったからそれで良いと思える。
[君]は悲しみを引きずらないで、[僕]のことを忘れて幸せに生きてほしい。
[僕]は[君]のことを忘れない。

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まとめ

ふと、おぼろげだった君の記憶がよみがえった。
バス停に君がいる夏の風景。
ただ1つ思い出した、記憶の中だけにいる君。

鳥居や乾いた雲。夏の温かい風の匂いが頬を撫でるように感じるほどリアルな記憶。
背伸びして大人ぶっていた僕ら。
遊び疲れてバス停裏で見た空。
ずっとずっと覚えていると誓った思い出。

会えなくなってしまったまま君は大人になっていき、君の記憶から僕は消えていく。
君に何も言えなくなってしまった僕は孤独だった。でも、それで良かったと思うことにしている。

夏の日差しや乾いた雲、山桜桃梅、錆びた標識。
頭の中にはいつも君との夏の思い出が映し出される。
大切なのは思い出や写真ではなくて、君との時間だった。
それに気づかなかった僕は、大切な言葉を伝えることができなかった。

僕の記憶の中には絶えず君がいて、同じ夏の風景を繰り返している。

悲しみを背負ったまま君は大人になった。何もできない僕はただ君が幸せになることを願っていた。
君に大切な言葉を伝えられずに二人で坂を上ったあの頃の記憶もやがて消えていく。

悲しみを背負ったまま君は大人になった。君は君の思うままに自由に生きてほしい。
ゆっくりと陽が落ちていくように、君から思い出も消えていく。

会えなくなってしまったまま君は大人になっていき、君の記憶から僕は消えていく。
君に何も言えなくなってしまった僕は孤独だった。それでも僕らはずっと一緒にいたから、それで良かったと思える。
僕は、そんな君と過ごした記憶を想い続けることしかできない。

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